初心者向けスノーボード板選びのポイント!最適な道具の見つけ方
- 2018/12/8
- ファッション
一言に「板」といっても形や硬さは、滑りのスタイルによって様々。さらにセットでブーツとビンディングも準備しなければなりません。ここでは初心者の入門編として、初心者向けの道具の紹介と、道具やスノボの滑り方の基本知識を初心者向けの言葉で説明しています。板選びに困っていたら、まずこの記事をチェックしてみてください!
目次
1. 初心者ボーダー向け3点セットの基本知識
スノーボードの基本の3点セットは板・ブーツ・バインディング(ビンディング)です。バインディングとは板とブーツをつなぐもので、別々に購入が必要なんです。まずはそれぞれの道具の特徴と選び方を確認しましょう。
1-1.板選びのポイント
初心者に向いているのは…「安定した形」「柔らかい」「軽い」「短め」「適度な幅」
まず板を選ぶときに注目するポイントは「形状」「硬さ」「重さ」「長さ」「幅」の5つ。利用する人の体形や、脚力、できるようになりたいことなど目的に合わせて選びます。初心者の課題は、まずターンができるようになることなので「操作性」と「安定性」が肝心。それぞれのポイントの基礎知識と、特徴をチェックしてみましょう。
●形状(側面)
初心者に向いているのは…フラット・フラットロッカー(キャンバー)
形状の種類は様々。代表的な6種類のタイプをご紹介します。説明がちょっと難しい…なんて場合はタイプ別解説下の~板選びの解説によく出てくる用語まとめ~を先にチェックしてみてください。
・キャンバー
板の両サイドのポイントに強い圧力がかかるため、安定性がある。センターが浮いているため反発力がある。
+メリット:切れのあるカービングがしやすい。スピードのあるすべりがしたい人にもおすすめ。反発力を生かしたオーリーに向いている。
-デメリット:反発力があるためプレスなどのグラトリに不向き。浮遊力もないためパウダーも不向き。脚力が必要なため、あまり女性にはおすすめしない。
・ロッカー
平地に置くと、板の真ん中だけが接するため、板をくるくると回しやすいことが特徴。エッジが引っ掛かりにくいため、板が扱いやすく脚力の弱い女性でも取り回しがしやすい。
+メリット:操作性が高く、ターンがしやすい。板がしなりやすく、エッジが引っ掛かりにくいのでプレスなどのグラトリがやりやすい。浮力がありパウダーですべりやすい。
-デメリット:安定性がない、ターンの切れがなくなる。
※ここから先の板はキャンバーとロッカーの特性が混ざり合った種類の板。とイメージしながら読んでみてください。
・フラット(ゼロキャンバー)
板の底の広範囲が地面に接しているため安定感があり、初心者におすすめ。キャンバーとロッカー両方の特性をもつ。
・フラットロッカー
フラットよりも板が扱いやすく、ロッカーより安定している。安定性・操作性のバランスが良く初心者におすすめ。
・ダブルキャンバー
キャンバーとロッカーの長所を併せ持つ形状。それぞれの長所は劣りますが、様々なスタイル、複雑な地形にも対応します。ただし扱いは難しいという難点があります。
・ハイブリッドキャンバー
こちらもキャンバーとロッカーの長所を併せ持つ形状。キャンバーより操作性がよく、反発力があります。ただしメーカーによって、特徴が異なるため、お店の人に聞きながら選ぶのがおすすめ。
ずばり初心者におすすめはフラットやフラットロッカーです。まずは横滑りのターンでしっかり滑れるようになること、簡単なトリック(技)ができるようになることが目先の目標になるかと思います。そのためには安定性重視の板が男女ともおすすめ。脚力のある男性は、初めからキャンバーをゲットするのもありですね。
●形状(表面)
初心者に向いているのは…ディレクショナルシェイプ
板の軸足を乗せる方をノーズ、利き足を乗せる方をテールと呼びます。足を乗せる位置から、ノーズ・テールまでの長さの違いも、滑りやすさを左右します。
~軸足/利き足とは~
ノーズ側になる足を軸足、テール側を利き足といいます。利き足は手と同じく、コントロールを行う場合にメインで使う足です。利き足が右ならレギュラー、左ならグーフィーになります。ボールを蹴るときや、とっさに一歩出る足をイメージして利き足を判断します。
・ツインチップ
→くるくる回りやすく、トリックがしやすい
テールとノーズが同じ形、ノーズとテールの長さが同じ
・ディレクショナルシェイプ
→安定した滑りができる
ノーズがテールよりも長めの形、テールよりノーズまでが長め
・ディレクショナルツイン
→安定性と、トリックのしやすさを兼ね備えている
テールとノーズはほぼ同じ形(重心が後ろ・硬さや反発力が異なる)、ノーズとテールの長さが同じ
~板選びの解説によく出てくる用語まとめ~
・エッジ
板の側面についている金属部分のこと。「エッジをかける・利かせる」とは雪面にエッジを食い込ませるような状態です。エッジがかかりやすいと、コントロールがやや難しく、エッジをかけたくないところにかけてしまって転んでしまうことも。これを逆エッジと言ったりします。
・カービング(ターン)
板の形状に沿って、スピードを殺さずにスムーズにエッジの切り替えを行うターンです。コントロールができており、スピードがでる滑り方。初心者がまず滑れるようになるドリフトターンは、雪面と板がこすれることで、スピードを落としてコントロールするタイプの滑り方です。
・グラトリ(グラウンドトリック)
平地で行うトリック(飛んだり回ったりする技)の総称です。
・プレス
グラトリの技のひとつ。板の片側に重心をかけて、片方を浮かせます。
・オーリー
プレスの状態から、蹴り上げジャンプする技。
・とり回し
板をくるくると回転させて、遊ぶこと。
・パウダー
圧雪されていない、自然の雪の上を滑走すること。バランス感覚が必要で上級者向け。独特の浮遊感がある。
●硬さ
初心者に向いているのは…柔らかい板
少ない力でターンやジャンプがしやすく、扱いやすいためです。硬い板は滑りにさらにキレやスピードを出すための利点があります。
●重さ
初心者に向いているのは…軽い板
硬さの根拠と同様ですが、軽い方が扱いやすくターンがしやすいためです。重いとスピードが出たり、エッジにキレが出ますが、その分コントロールも難しくなります。重さは商品説明に記載がないので、いくつか板を持ち比べて軽めのものを見つけましょう。
●長さ
初心者に向いているのは…基本より少し短め
基本的には自分の身長を目安に、下記のように板の長さを決めます。
身長 | 板の長さ |
---|---|
175cm以上の場合 | 身長-20cm |
160~174cmの場合 | 身長-15cm |
160cm未満の場合 | 身長-10cm |
目安より長ければ「高速でも安定している」「カービングにキレが出る」、短いと「ターンがしやすい」「板がコントロールしやすい」という長所があります。そのため、初心者は目安より少し短いものを選ぶと滑りやすいです。
●幅
初心者に向いているのは…適度な幅
基本的に幅は長さに合わせて設定されているので、あまり気にしなくて良い部分。適度なサイズは、かかとはぴったり、つま先が少し出るくらいです。しかし、極端に足が大きくて板から足が出すぎていたり、小さくて板とつま先に幅がある場合は、幅が広めor狭めのものを意識して選びましょう。
1-2.ブーツ選びのポイント
初心者に向いているのは…レベル問わず履いてフィットするか
一番は幅・つま先・かかと・足首がフィットするか、ということがポイント。メーカーによって同じサイズでも幅が違うため、履いた感じがまったく異なります。履いた時にかかとを床にとんとん打ち付けて、隙間をなくします。その時、幅とつま先がぴったりつくかです。しっかりとひもを締めてみて、足首の部分が緩くないかもポイント。これらが緩いと、板の扱いがしづらくなります。使っていくとややブーツが伸びてくるので、ゆるくないぴったりしていることが重要です。
1-3.バインディング選びのポイント
初心者に向いているのは…ハイバックが低く、柔らかめのもの
初心者には扱いやすいブーツとの相性が良いかが重要なため、ブーツを決めた後に選びます。履いた時に、ヒールカップ(かかと部分、ベースプレート(足底)の部分、がぴったり合っているかを見ます。硬くてハイバックが高いと、板とがっちりくっつき動きの伝わりが良くなりますが、その分扱いづらくなります。柔らかくてハイバックが低いと、伝わる動きに余裕が出るため、初心者でも扱いやすい特徴があります。
2.選んで楽しいボードの付属品
ここではスノーボードの3点セット以外に必要なグッズをご紹介します。
2-1. 安全のための「リーシュコード」
板の軸足とビンディングをつなぐ紐。板と両足が離れているときに、傾斜で板が滑って行かないようにするためのものです。板の扱いに慣れていなし、さらにリフトなどで外す機会が多い初心者には必須。板が流れて行ってしまうとすごいスピードになり、追いつけません。流れてしまった板が、他の人に当たってしまうと大きな事故の原因にもなります。
2-2. 板にワンポイント「デッキパッド」
板のバインディングの間に張り付けるすべり止めです。雪上を移動する際に、利き足を乗せますが、その足が滑らないようにします。初心者は板に足が付いていないときに、バランスがとりずらいのであると便利。リフトから降りる時も安心です。透明のシンプルなものから、カラフルでおしゃれなモノまでさまざま。板のデコレーションとしても楽しいですね。
2-3.持ち運びに必須「ボードケース」
スノーボード3点セットの購入時に必ず必要なのが、持ち運びのためのボードケース。特に板は形状的に他のカバンで代用が利かないので必須。ブーツと板両方入る細長い大きなかばんや、カバーのようなものに板だけを入れて靴は別で大きなカバンに入れる人もいます。
3.板選びの指標に…ボードで何したい?
ここまで道具選びのポイントを確認してきました。特に初心者に向けて、「ターンのしやすいもの」「扱いやすいもの」を重点的におすすめしてきましたが、じゃあその先はどんな滑り方があるの?という疑問にお答えしちゃいます。ぜひ今後なりたい自分をイメージしながらチェックしてみてください。
※おすすめ板は初級~中級者向けのものです。さらに極めたい、追求したい場合には板の選択肢は広がるので、参考程度にみてください。
3-1.フリーライディングで滑りを追及
ターンの質やスピードを追求していく滑り。滑りのスキルを磨くことで、スピード・地形によらず安定した滑りが可能になります。自然の地形を生かした滑りにも対応でき、急斜面や荒れ地などのどんな斜面でもスピードを落とさず滑る爽快感が味わえます。エッジに切れがでて、安定した滑りができる板がおすすめ。
[おすすめ板]キャンバー・重め・硬め
3-2.グラトリで技を磨きたい
平面で板を回したり、曲げたり跳んだりして技を磨きます。緩い斜面で気軽に楽しめるので、ある程度滑れるようになった初心者も、気軽にチャレンジできます。パーク前にトリックを磨きたいという人にもおすすめ。レベルが上がると滑りながら、技レイアウトを楽しむこともできるようになります。板を曲げたり、スイッチ(軸足を逆に滑ること)したりするので、柔軟性があり扱いやすい板、ノーズ・テールが対称な板がおすすめ。
[おすすめ板]ロッカー/ハイブリッドキャンバー・短め・柔らかめ・ツインチップ
3-3.パークでスリルと達成感を味わいたい
キッカーやレール、ボックスといったジブアイテムを利用して、ジャンプやジブ上での滑りにチャレンジします。アイテムの使い方は様々。ストレートなジャンプからはじまり、体をひねったり、回転したりと技を磨きます。複数のアイテムを使用して、技のコンビネーションの精度を高めたりと、楽しみ方も豊富。グラトリ~パークでスピンやトリックをメインとする場合は、扱いやすく軽い板がおすすめ。高いジャンプをするまでレベルが上がっていくと、安定感・反発力重視のキャンバーで硬めの板がおすすめとなってきます。
[おすすめ板]ロッカー/ハイブリッドキャンバー・短め・柔らかめ→キャンバー・硬め
3-4.パウダー滑走の浮遊感を体験したい
圧雪されていないふわふわの天然雪上を滑ること。慣れていないと板が詰まって、埋まってしまいますが、上手に板の先端(ノーズ)部分を浮かせて滑ることで、独特の浮遊感が得られます。ゲレンデの非圧雪コース、ツリーランコース等で体験が可能。浮力が高い、ロッカー・幅広タイプの板がおすすめです。ノーズ部分が長く、深いパウダーロッカーと呼ばれる形状もあります。
[おすすめ板]ロッカー/パウダーロッカー・幅広め・ディレクショナル
スノーボードの板・道具から滑りのスタイルまでざっとまとめてきました。スノーボードの板を購入する際、初心者の人はぜひ「自分がどんな滑りがしたいのか」をイメージしながら板選びをしてみてください。かっこよく滑る自分を想像すると、自分い合った板が明確になると同時に、スノーボードに興味が湧いてわくわくしてきますよ。ぜひ自分に合った最高のマイボードをゲットして、自分だけのスノーボードライフを楽しみましょう。